首や肩がつらいと、
「姿勢が悪いから」
「スマホの見すぎかな」
と思う人も多いかもしれません。
もちろん、長時間同じ姿勢でいたり、パソコンやスマートフォンを使い続けたりすることは、
首や肩への負担につながります。
でも、首肩こりにはそれだけでなく、目の疲れ・食いしばり・呼吸・ストレス・睡眠など、
さまざまな要素が重なっていることがあります。
だから、首や肩だけを見るのではなく、身体全体で何が起きているのかを見ることが大切です。
目次
1.首肩こりはなぜ起こる?
2.デスクワークや長時間スマホで、首肩は思った以上に働いている
3.目の疲れ・食いしばり・呼吸との関係
4.姿勢が悪いのは、身体が怠けているからではない
5.余裕がなくなると、身体全体の動きも小さくなる
6.頭蓋仙骨療法では身体全体をみる
7.首肩こりのセルフケア
8.まとめ|肩だけではなく身体全体を見る
1.首肩こりはなぜ起こる?
首肩こりというと、首や肩そのものに何かしら原因があるように感じます。
ですが実際には、首や肩は身体のさまざまな動きや緊張の影響を受けやすい場所です。
頭を支える。
腕を支える。
視線を安定させる。
呼吸を助ける。
顎の緊張の影響を受ける。
こうした仕事を、首や肩周りの筋肉は日常的に行っています。
特にデスクワークのように、身体をほとんど動かさず同じ姿勢を長時間続けていると、筋肉も大きく動くことなく、頭や腕をじーっと支え続ける状態になります。
激しく身体を動かしていなくても、同じ筋肉が長時間休まず働き続けることで、首や肩には負担がたまっていきます。
デスクワークや長時間スマホで、首肩は思った以上に働いている
デスクワークやスマートフォンを長時間使っていると、身体はあまり動いていないように見えますが、実際には、首や肩周りの筋肉はずっと働いています。
パソコン作業では、頭を支えながら、腕を前に出してキーボードやマウスを操作し、視線を画面に固定します。
スマートフォンでは、画面を見るために頭が前へ出たり、下を向いた姿勢が長く続いたりしやすくなります。
こうした姿勢では、首や肩の筋肉が大きく動くというより、頭や腕が落ちないように、じーっと支え続ける状態になります。
激しく身体を動かしていなくても、また、長時間同じ姿勢を続けることで、首や肩だけでなく、背中や胸まわりの動きも小さくなりやすくなります。
だから、デスクワークやスマホを見たあとに首や肩が重くなるのは、単に「姿勢が悪かったから」だけではなく、
その姿勢を保つために、首肩まわりの筋肉が長時間働き続けていた結果とも考えられます。
身体を大きく動かしていなくても、首肩周りの筋肉は頭や腕を支えるために働き続けています。
3.目の疲れ・食いしばり・呼吸との関係
●目の疲れも首や肩に影響する
パソコンやスマートフォンでは、長時間近くのものを見続けます。
画面に集中すると、視線を安定させるために頭や首の動きも少なくなりやすくなります。
目が疲れてくると、無意識に顔を画面へ近づけたり、眉間やこめかみに力が入ったりすることもあります。
そのため、目の疲れは目だけで終わらず、顔・顎・首周辺の緊張につながることがあります。
●食いしばりも肩こりに関係することがある
食いしばりというと、眠っている間の歯ぎしりをイメージする人も多いかもしれません。
ですが、起きている時間にも無意識に顎へ力が入ることがあります。
たとえば、
“仕事に集中しているとき|失敗できない場面|緊張や不安を感じているとき
気分が落ち込んでいるとき|感情を抑えているとき“
などです。
こうした食いしばりや歯ぎしりなど、無意識に顎へ力が入る状態は「ブラキシズム」と呼ばれます。
顎に力が入り続けると、咬筋や側頭筋など噛むための筋肉が緊張します。
そしてその緊張は、こめかみや後頭部、首まわりにも広がりやすくなります。
そのため、ストレスや集中による食いしばりが、首肩こりの背景の一つになっていることがあります。
また、ブラキシズムには心理的なストレスだけでなく、
遺伝的な要素
睡眠の状態
カフェインやアルコール
喫煙
一部の薬剤
痛みへの警戒
日中に顎へ力を入れる習慣
など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
目の疲れや強い集中、食いしばりは、それぞれ別々ではなく、首肩まわりの緊張と重なって現れることがあります。
●呼吸が浅くなると、首の筋肉まで働く
集中しているときや緊張しているときは、呼吸が浅くなりやすくなります。
本来、安静時の呼吸では横隔膜が大きな役割を担っています。
ですが、呼吸が浅くなり胸の上部を使う呼吸が続くと、斜角筋や胸鎖乳突筋など、首周辺の呼吸補助筋が呼吸を助ける場面が増えていきます。
つまり首や肩は、
頭を支える
腕を支える
視線を安定させる
顎の緊張の影響を受ける
呼吸まで助ける
と、思っている以上にたくさんの仕事をしています。
だから、「座っているだけなのに首や肩が疲れる」ことは、不思議なことではありません。
4.姿勢が悪いのは、身体が怠けているからではない
猫背になると、「姿勢が悪い」と言われることがあります。
でも、身体はわざと悪い姿勢を選んでいるわけではありません。
疲れているとき。余裕がないとき。緊張しているとき。
人は自然と身体を丸めやすくなります。
私は施術をしていて、こうした姿勢を見ると、弱っている動物が大切なお腹(内臓)を守るような反応にも見えることがあります。
その時その時で、身体は今の状態に合わせて、なんとか自分を支えようとしています。
だから、姿勢が悪いからといって、自分を責める必要も、身体を責める必要もありません。
大切なのは、
「正しい姿勢にしなければ」
と無理に身体を起こすことより、
「なぜ今、この姿勢になっているんだろう」
と身体の状態に目を向けてみることです。
5.余裕がなくなると、身体全体の動きも小さくなる
疲労やストレス、緊張が続き、身体に余裕がなくなってくると、
呼吸が浅くなる。顎や首肩に力が入る。身体を動かす範囲が小さくなる。
といった変化が起こることがあります。
身体の一部だけが硬くなっているというより、身体全体が少しずつ「動きにくい状態」になっていくイメージです。
肩を揉むとその場では楽になるのに、またすぐ戻ってしまう場合には、
「肩が硬いから肩をほぐす」だけではなく、なぜ身体が緊張を解きにくくなっているのか
という視点も大切になります。
6.頭蓋仙骨療法では身体全体をみる
頭蓋仙骨療法では、表面的な筋肉の硬さだけをみるのではなく、身体全体のつながりをみていきます。
頭蓋から仙骨まで続く硬膜系や、身体に感じられる頭蓋仙骨リズム(CSR)の質、左右差、動きのしなやかさなども、一つの手がかりとして捉えていきます。
私は施術をしていて、身体に余裕があるときほど、こうしたリズムにも柔らかさや広がりが感じられ、反対に緊張が続いているときには、動きが小さくなったり左右差が出たりすることがあると感じています。
肩がこっているから肩だけをゆるめるのではなく、身体全体がもう一度動きやすさを取り戻していく。
頭蓋仙骨療法では、そんな視点から身体全体のバランスをみていきます。
7.首肩こりのセルフケア
私おすすめのセルフケアを2つご紹介します
① ボディスキャン+呼吸
仰向けになって目を閉じ、顎 → 首 → 肩 → 胸 → お腹
の順番に意識を向けて、力が入っているところがないか確認していきます。
無理に力を抜こうと頑張らなくて大丈夫です。
「今、どこに力が入っているかな?」
と感じるだけでOK。
そのまま、力が入っているところに意識を向けながら、ゆっくり数回呼吸してみましょう。
自分ではリラックスしているつもりでも、
「顎に力が入っていた」
「肩が上がっていた」
と、初めて気づくことがあります。
時間に余裕があるときは、足元から頭まで全身をゆっくり点検してみるのもおすすめです。
② 朝はラジオ体操もおすすめ
全身を大きく動かせるラジオ体操は、固まった身体のリセットにぴったり。
第一・第二までやっても約6分なので、朝の習慣にも取り入れやすいです。
8.まとめ|肩だけではなく身体全体を見る
首肩こりは、姿勢だけで起こるものではありません。
仕事への集中、目の疲れ、食いしばり、呼吸、ストレス、睡眠など、さまざまな要素が重なって起こります。
そして、肩や首の緊張は、身体が今まで頑張って適応してきた結果として現れていることもあります。
「肩が硬いから肩をほぐす」だけではなく、
なぜ身体が緊張し続けているのか。
なぜ力を抜きにくくなっているのか。
そこまで含めて身体をみていくことが、繰り返す首肩こりを考えるうえで大切です。
Siesta空では、頭蓋仙骨療法を通して、首肩だけではなく、頭部・胸郭・呼吸・膜系などを含めた身体全体のバランスをみながら、
その方の身体が本来の動きやすさを取り戻していけるようお手伝いしています。